ビルクリーニング業者の必須アイテム「フロアポリッシャー」について、なるべく簡単にご紹介したいと思います。
Contents
フロアポリッシャーって何?
フロアポリッシャーは床面を洗うために、不織布のパッドやブラシを回すマシンのことを言います。 デッキブラシ等に比べて格段に早く床面をキレイにすることが出来ます。
大きさは8インチ~16インチのサイズが中心ですが、他のサイズも。最小で約4インチ~24インチ程度まであります。
「回転+振動」のオービタルポリッシャーもあります、この辺は工具のハンドポリッシャーと同じですね。
主な用途は以下の二つに分けられます
- 床の洗浄
- 床ワックスの剥離
ポリッシャーを使う準備
ポリッシャーの操作方法
フロアポリッシャーの種類
アマノ武蔵電機製ポリッシャー
まずは業界最大手のアマノ武蔵電機製からご紹介します。
アマノ武蔵電機製ポリッシャー|ラインナップ一覧
サイズ (インチ) |
使用 パッド パッド台 |
通常速 高速 超高速 |
階段用 ジュータン ジュータン高速 |
スイッチ | レバー |
8インチ ポリッシャー |
9吋 | 〇 × × |
〇 × × |
センター | 足踏み |
10インチ ポリッシャー |
11吋 | 〇 × × |
× × × |
センター | 足踏み |
12インチ ポリッシャー |
13吋 | 〇 〇 〇 |
× 〇 × |
センター(標準) レバー |
足踏み |
14インチ ポリッシャー |
15吋 | 〇 〇 〇 |
× 〇 〇 |
レバー(標準) センター |
足踏み |
16インチ ポリッシャー |
18吋 | 〇 〇 × |
× × × |
レバー | 足踏み |
ポリッシャーサイズ(インチ)
大きな違いとして、ポリッシャーのサイズ(インチ)があります。
アマノ武蔵製のラインナップは8インチ~16インチの計5種類です。
ポリッシャー使用パッド・パッド台
ポリッシャーで使用するパット台は、本体より一回り大きなパッド台を使用します。
これは本体が回転する位置の径であるのに対して、パット台はパッドが回転する位置の径であり、パッドが回転する位置では一回り大きくなるためです。
また、パッドはパッド台に合わせたサイズに必要があります。
ポリッシャーブラシのサイズ
ポリッシャーで使用するブラシは本体と同じ大きさになります。
これは本体の回転径=ブラシの回転径がほとんどであるためです。
ポリッシャー回転速度|通常速/高速/超高速
ポリッシャーの回転速度は3段階、速度の幅があるのは周波数(50Hzと60Hz)により異なるためです。
- 通常速:160~190rpm
- 高速:200~240rpm
- 超高速:300rpm
ポリッシャー用途|ジュータン/ジュータン高速/階段用
ポリッシャーは用途に応じた特殊仕様品があります。
ポリッシャー(ジュータン/ジュータン高速用)
ジュータンやカーペット専用タイプがあります。ジュータンで使用する際、ブラシが回りずらく本体のモーターに負荷がかかってしまうのでその対策品です。
通常品とは以下の点が異なります。
- モーターのトルクが強化されている
- 標準付属品にカーペット用ブラシとタンク
- レバーの変換がスライドレバー(通常は足踏レバー)
ポリッシャー(階段用)
階段や小さな現場で使いやすい階段用タイプもあります。階段で使用することに特化しているので、動かしやすく作られています。
通常品とは以下の点が異なります。
- 伸縮ハンドル
- 本体上部に持ち手
ポリッシャー用センタースイッチ/レバースイッチ
ポリッシャーの電源スイッチにはセンター式とレバー式があります。
センタースイッチの場合
一度操縦を誤ると止めるのに苦労してしまうが、レバーを握らなくても動き続けてくれる
レバースイッチの場合
動かすためにレバーを握り続けなくてはいけないが、手を離すと動かなくなるので安全
山崎産業製ポリッシャー
次に山崎産業製をご紹介します。
山崎産業製ポリッシャー|ラインナップ一覧
サイズ (インチ) |
使用 パッド パッド台 |
通常速 高速 超高速 |
階段用 | スイッチ | レバー |
8インチ ポリッシャー |
9吋 | 〇 × × |
〇 | センター | 足踏み |
12インチ ポリッシャー(K) |
13吋 | × 〇 〇 |
× | センター | スライド |
12インチ ポリッシャー(M) |
13吋 | 〇 〇 × |
× | センター(標準) レバー |
足踏み |
14インチ ポリッシャー |
15吋 | 〇 〇 〇 |
× | センター(標準) レバー |
足踏み |
16インチ ポリッシャー |
18吋 | 〇 〇 × |
× | レバー | スライド |
山崎産業製のポリッシャーは、アマノ武蔵電機製のポリッシャーの仕様とかなり似ています。
細かい所が違うので確認してもらえればと思います。
- 10インチポリッシャーが無い
- 12インチポリッシャーが2タイプある
- 14インチポリッシャーのスイッチが標準でセンタースイッチ(レバースイッチに変更可能)
- 16インチポリッシャーのレバーがスライド式
各項目の詳細はアマノ武蔵製ポリッシャーと同様です。
ペンギンワックス製ポリッシャー(イノベーター)
日本では珍しい回転速度を切り替え可能なポリッシャーを販売しています。
イノベーター|ラインナップ一覧
サイズ (インチ) |
使用 パッド パッド台 |
通常速 高速 |
階段用 | スイッチ | レバー |
15インチ ポリッシャー |
15吋 | 〇 〇 ※1台で速度切替 |
× | レバー | スライド |
17インチ ポリッシャー |
17吋 | 〇 〇 ※1台で速度切替 |
× | レバー | スライド |
1台で速度を切り替えることが出来るので
- 剥離の時は速度を落としてトルクを強く
- 洗浄の時は速度を早くしてスピード重視
という使い方が出来る他には無いポリッシャーです。
ペンギンワックス製ポリッシャー(コードレス)
日本で圧倒的なシェアを持つコードレスポリッシャーです。バッテリーにリチウムイオン電池が採用されているので軽量で使いやすいポリッシャーです。
また、電源コードが無いためコードに足をかけることやパッドに巻き込むことがありません。
サイズ (インチ) |
使用 パッド パッド台 |
通常速 高速 |
階段用 | スイッチ | レバー |
9インチ ポリッシャー |
9吋 | 〇 × |
〇 | 手元 センター ※Wスイッチ |
スライド |
13インチ ポリッシャー |
13吋 | × 〇 |
× | レバー | スライド |
15インチ ポリッシャー |
15吋 | 〇 〇 ※1台で速度切替 |
× | レバー | スライド |
その他
これ以外にも大型ポリッシャーやプロパンポリッシャー、小型ポリッシャー等があります。
こんなポリッシャー無いの?ってというお問合せもお待ちしています。
フロアポリッシャー用ブラシ
主に以下の種類のブラシがあります。
ナイロンブラシ
ナイロン製ブラシ、デッキブラシ等と同じものです。
ブラシが細い順に、白、青、緑(標準)、黒があります。
※使用例:ワックス床、石材、その他凹凸がある床
シダブラシ
赤シダ製ブラシ、亀の子束子のような素材です。
使っていると磨り減るが、水はねが少ないです。
※使用例:ナイロンブラシと同じ、 水性ワックスの艶出し
ワイヤーブラシ
その名の通りワイヤーで出来ています。
良く落ちますが傷が入るので、注意が必要です。
※使用例:コンクリート、傷が入っても良い床。
タイネックスブラシ
デュポン社の研磨剤入り
ナイロン繊維(タイネックス繊維)のブラシです。
耐久性が高く良く落ちますが、若干高価なブラシです。
※使用例:ナイロンブラシと同じ
ステンレスブラシ
極細のステンレスを埋め込んだブラシです。
極細で細部にまでブラシが届くので
細かい溝がある場所に有効です。
※使用例:石材、エンボス床、凹凸が細かい場所
フロアポリッシャー用パット
3Mのフロアパッドが主に使われます。
色によって硬さ(研磨剤の種類や量)・用途が異なりますので、「黒」の研削力を100とした場合の研削力も書いていきます。
フロアパッド(黒) 研削力:100
床ワックスの完全剥離用、通常のパッド類の中では最も研削力が強いです。
フロアパッド(茶) 研削力:40
床ワックスの剥離、重洗浄用。黒や緑に比べ耐久性があります。
フロアパッド(緑) 研削力:35
重洗浄用。
フロアパッド(青) 研削力:15
中洗浄用、緑に比べ耐久性があります。
フロアパッド(赤) 研削力:4
軽洗浄用、毎日ワックス床を磨いても光沢はそれほど落ちません。
フロアパッド(白) 研削力:0
ワックスの艶出し用、傷を入れたくない床面の洗浄にも使えます。
研磨剤が一切入っていないので、安心して使えます。
フロアポリッシャー用オプション
特におススメしたオプションは以下の3つです。
ポリッシャータンク
水を出しながら使う事が出来るポリッシャータンクは必須とも言って良いオプションになります。
近年ではポリッシャータンク専用洗剤も発売されていますので、それらと組合わせると作業時間を大幅に短縮することが出来ます。
ポリッシャータンクには即効性重視で作られた専用洗剤をおススメします。
ポリッシャースタンド
特にポリッシャーを使い始めの方におススメのオプションです。
ブラシやパット台を取り付けるときに、ポリッシャーが横向きに固定されるので交換を楽にすすめることが出来ます。
ポリッシャーは用途と場所で選ぼう
結局どれを選べば良いか?は使う用途と場所で選びましょう。
床の洗浄をする場合
床を洗剤で洗浄する場合には、場所(広さ)次第で選びましょう。
大まかに言うと以下のようになります。
8インチポリッシャー
ごく狭い場所(トイレや階段など)や一般家庭など。
12~13インチ
ポリッシャーに不慣れな人の入門編におススメ
狭い場所も広い場所にも使えて、操作を誤った時でも力づくで押さえつけられる大きさです。
14~15インチ
プロの業者で迷ったらコレ
オフィスや商業施設などのやや広い場所に向いています、これを扱えるようになれば一人前。
16インチ以上
完全にプロ業者向け
体育館や倉庫など何もない広い場所に向いています。重いので広い場所の剥離をする時に活躍します。
床の剥離をする場合
12インチ以上のコード式ポリッシャーを選びましょう。
何故かというと、10インチ以下のポリッシャーやコードレスのポリッシャーではトルクが足りないので、剥離作業には向いていません。
どうしても狭い場所を剥離するのであれば、手作業の方がよっぽど早く終わります。