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シーバイエスが海外製ワックスを日本に紹介
ワックス総合メーカー「シーバイエス」は1886年に創業したアメリカ企業「S.C.ジョンソン」の流れを組む会社です。日本では1962年に日本で創立し、ジョンソンの名前で家庭用・業務用洗剤ワックスのメーカーとして有名になりました。その後、合併や買収を繰り返したのち、2019年に諸星グループの一員となり、純日本企業として現在も活躍しています。なお、カビキラーで有名な(家庭用)ジョンソンとは現在別会社ですが、社屋は同じビルとなっていて関係が気になるところです。
ジョンソンとは関係が深い(元々ジョンソンという名前の会社)ですがジョンソン&ジョンソンとはまったくの別会社です
シーバイエス業務用ワックスはラインナップが分かりやすく耐久性に優れたものが多い
シーバイエスはその資本力を生かして、シリーズ化して複数のワックスを同時に発売することが多いメーカーです。近年発表された「キングシリーズ」「スターシリーズ」では、それぞれ光沢・作業性・耐久を重視した3種のワックスを同時に発売し、ユーザーに分かりやすいラインナップを提供。シリーズ毎に価格帯が異なるため、価格で分けていくと簡単に選ぶことが出来ます。
また、特に高価格帯では高耐久のもの(光沢維持性が高い、傷が入りずらい)を予算別に選べる
化学床用ワックスの選び方
低価格ワックス(BM8,000円未満)はスターシリーズ
1.クリアスター|塗り重ねをするほど輝くワックス
ワックスの予算はあまり取れない、でも光沢が欲しい。そんな少しわがままな要望に応えて発売されたのがこの「クリアスター」です。
明るい現場では特に見栄え良く水を打ったようなクリアな仕上がりになります。
また、塗った際にスジが出来ずらい設計がされているため、塗り重ねていくたびに更に輝きを増していくことが特徴的なワックスです。
2.クイックスター|限られた時間でも素早く塗れすぐに乾く
この「クイックスター」は名前の通り、とにかく早くワックスが塗れるように設計されています。
そのために、モップ捌きが良くてすぐに乾く、それでいてレベリング(塗ったあとに平らになること。この性能が悪いとワックス面が凸凹で仕上がります)性能も良いので誰でも短時間でワックスを塗り終わることが出来ます。
また、意外と光沢も出るのが嬉しいシーバイエスの最新(2019年5月時点)ワックスです。
3.ベクスター|予算が無くてもしっかり床を保護
予算が取れない、でも床はしっかりと保護したい時に最適なワックスです。市販されている樹脂ワックスで最安値帯ですが耐久性に優れ、黄変しない・ヒールマークが入りづらいなど、値段に見合わない性能もあります。
それもそのはずで、世界中で最も売れていたワックス「ベクトラ」の遺伝子を受け継いでいるワックスだから納得です。
なお、「ベクトラ」→ 日本向けに低臭化 →「ベクタスアルファ」→スターシリーズ出すぞ → 「ベクスター」という名前の変遷があります。
そのため、他のシリーズ商品と違い”ベク”の意味が分からないのは仕方がないのかなとも思っています。
中価格ワックス(BM10,000円未満)の場合はキングシリーズ
光沢王エボリューション|初期光沢をとにかく重視したい
シーバイエスの中で、塗った時に一番光るワックス(初期光沢が最も良いワックス)はどれ?と聞かれたときにはこれを紹介しています。
他のメーカーの光沢が良いワックスとは少し違い、ジワっとした深みのある高級感あるフロアにすることが出来ます。
他のキングシリーズにも共通して言えるのですが黄変をしづらいため、剥離周期を伸ばすことが出来るのも作業者には嬉しい所です。
軽技王エボリューション|作業初心者でも簡単に塗りたい
シーバイエスの中で、最も塗りやすいワックスはどれ?と聞かれたときに紹介しています。
決して不揮発分が薄いわけではない(不揮発分22%)ですが抜群の伸びでワックス塗布作業に慣れていない人でも作業がしやすいワックスです。
また、光沢もかなり出ること、剥離性にも優れていることもあるので普段からワックスを塗っている業者だけではなく、学校や病院等の施設の人が塗る場合にも使いやすい商品です。
耐久王エボリューション|ヒールマークを入れたくない場所へ
他メーカーで耐久性を重視したワックスとはまったく異なる設計がされています。
それは、このワックスの不揮発分は18%しかありません。
今までの考え方だと不揮発分を多くした方が耐久性が良いと考えがちでしたが、このワックスに含まれる高耐久ポリマーによって傷が入らないようにしているため、この濃度で十分に他の耐久性重視ワックスと同じ性能になります。
そのため、耐久重視ワックスの中では抜群の作業性と乾燥性能があるワックスです。
高価格ワックス(BM10,000円以上)は個性的なラインナップ
シールド|ウレタン未配合のワックスで最も耐久性があるベストセラー品
ウレタン未配合のワックスの中で、最も耐久性があります。
上の耐久王と同じように不揮発分は比較的抑えめ(21%)なのですが、使われているポリマーが他とは違います。
親油性であるヒールマークは親水性ポリマーでガードし、物理的な力で傷になってしまうスカッフマークは表面を強靭な被膜とすることで一切寄せ付けません。
また、最近作業現場を見学して思うのは、意外と光沢が出ます。特に床が白くて元々光沢がある場所で光度を図ると95%という驚異的な数字を出していました。
ニュースターダム|作業性良好で速乾型でも光沢耐久のバランスも良い
作業性がよく速乾タイプのワックスです。
光沢も耐久にも優れバランスが良かったため、光沢王が発売されるまでシーバイエス(当時のジョンソン)で最も売れたワックスでした。
その性能は今も引き継がれており、汎用ワックスとして今もトップクラスの出荷量を誇っています。
グランドスラム|歩行量が多いが明るくしたいフロア向け
スターダムよりもう少し光沢耐久が欲しい方におススメです。
スターダムが不揮発分22.7%に対して、こちらは不揮発分23.5%でありその分光沢と耐久性が向上しています。
また耐久と光沢維持性が特に優れているため、塗ってから長い期間フロアが明るいまま維持出来ます。
ステイタスEX|光沢・耐久に優れた日本製では最も高級なワックス
2019年5月時点で、日本製ワックスの中では最も高価なワックス。
ウレタンが大量に配合されているので、光沢が欲しい耐久も欲しいという贅沢な方にはこのワックスがベストです。
また、そのウレタンが大量に含まれているため密着性に優れていることも特徴です。剥離のことを考えなければウレタン塗装されたフローリングに塗ることも出来ます。
フローリングの塗布についてはメーカーは保証をしていません、フローリングに塗る際は必ずテスト施工してください
姉妹品に「ステイタス」というEXが付いていない商品もありますが、こちらの方が作業性が良いので特別な事情がない限りはこちらを選択しましょう。
まとめ
シーバイエスおすすめワックスの性能一覧表
商品名 | 光沢 | 耐久 | 作業性 | BM価格 |
1.クリアスター | 〇 | △ | 〇 | ¥7,540 |
2.クイックスター | △ | △ | 〇 | ¥7,420 |
3.ベクスター | △ | 〇 | 〇 | ¥6,620 |
4.光沢王 | ◎ | 〇 | △ | ¥9,790 |
5.軽技王 | 〇 | △ | ◎ | ¥8,450 |
6.耐久王 | △ | 〇 | 〇 | ¥9,790 |
7.シールド | 〇 | ◎ | 〇 | ¥12,950 |
8.スターダム | 〇 | 〇 | 〇 | ¥10,600 |
9.グランドスラム | 〇 | 〇 | △ | ¥10,890 |
10.ステイタス | 〇 | ◎ | △ | ¥20,620 |
※BM価格は2019年5月のデータです
シーバイエスは低~中価格帯のラインナップが豊富です。しかし個人的には高価格帯のワックスの新作が待ち遠しい。ジョンソン時代は高耐久高価格ワックスの開発が得意でしたので、その技術をさらに高めていき、他メーカーには無い独自色を強めていってくれることを期待しています。